最近、スキンケアの分野で注目を集めているものに美肌菌があります。
肌には良い細菌も悪い細菌も住み着いていて、このうち、肌の保湿を助けるなど良い働きをしてくれる菌が美肌菌です。
美肌菌とは
とはいえ美肌菌という特別な菌があるわけではなく、誰の肌にも住み着いていて、皮脂をエサにして増える常在菌のことを「美肌菌」と呼んでいるだけなんですよね。
肌の常在菌は皮脂をエサにするときに肌を弱酸性にする働きがあり、こうすることで悪い菌が増えにくい環境が作られるのだそうです。反対に常在菌が減ってしまうと、悪い菌が増えやすくなって肌荒れなどの原因になります。
ということは、美肌菌と呼ばれる常在菌を増やせば、ニキビやニキビ跡対策になる可能性も考えられます。
では、どのようにしたら美肌菌を増やすことができるのでしょうか。
美肌菌を増やすビフィズス菌の効果
興味深いことに、腸内環境を整えるのに役立つビフィズス菌が、美肌菌を増やすのにも有効なのだとか。美肌菌を増やせる化粧品は数十万円するそうですが、ビフィズス菌ならヨーグルトの中にも含まれています。ヨーグルトのパックを開けると、上澄みの半透明の液体がありますよね。これは筋トレのサプリメントでおなじみのプロテインの原料ともなる「ホエー液」ですが、ここにビフィズス菌が豊富に含まれています。
このことを根拠に、「クレーターにヨーグルトパックが効く」という噂(うわさ)まで登場しました。
本当に効くのなら試してみたいところですが、調べてみたところ、ヨーグルトパックがクレーターに効くという信頼できる研究は見当たりませんでした。
ヨーグルトパックはクレーターに効く?
どうやら、テレビ番組で取り上げられたのをきっかけにヨーグルトパックがクレーターに効くという説が生まれたようです。確かに理論的には、ヨーグルトに含まれるビフィズス菌によって美肌菌が増える可能性はあるでしょう。
しかし、ヨーグルトは肌に塗ることを想定して製造されていないので、何かあったときに心配ですよね。例えば、悪い菌も一緒に増えてしまう可能性はないのでしょうか。万が一、肌トラブルが起きたとしても完全に自己責任ですので、あまりおすすめできる方法ではありません。
では、美肌菌を増やすにはどうしたらよいのか?
ニキビやニキビ跡に悩まされている人は、ニキビの原因菌である「アクネ菌」を殺すために強い殺菌作用を持つ洗顔料を使うこともあるでしょう。こうした洗顔料はアクネ菌も殺しますが、実は、同時に常在菌も殺してしまいます。
ときには一時的に使用することが必要なケースもあると思いますが、あくまでも緊急時のお助けアイテムとしての使用にとどめておきましょう。
殺菌力の強い洗顔料を常用しないこと、また、そうした洗顔料を使わない場合でも、肌を洗い過ぎないこと、によって肌の常在菌を守ることができます。
「ヨーグルトパック」という冒険をするよりも、肌を刺激しない基本的なスキンケアを続ける方が安心ですね。